海老名の郷土芸能

(えびなのきょうどげいのう)

 


大谷歌舞伎(おおやかぶき)

 海老名市の大谷歌舞伎は、ほかの地方のものとは明らかに違う特ちょうを持っています。それは、東京・横浜という大都会の近くにある、ということです。ふつう、歌舞伎は都市から離れた人の少ない地方に残っています。  発展している近代都市に現在も残っているという例は、ほかにありません。神奈川県内にも大谷歌舞伎以外には残っていなくて、とても大切な伝統文化です。
 前には、国分、上今泉、杉久保、下今泉、社家などでも歌舞伎がさかんでしたが、今では行われなくなってしまいました。
 大谷歌舞伎は、昭和50年に海老名市の重要無形文化財になり、昭和52年には「神奈川民俗芸能50選」にも選ばれました。
 「市民文化祭」でも一年おきに発表されています。






 
大谷歌舞伎(おはやし)           

 海老名市内には、それぞれの地いきに17 
の「お囃子(はやし)」の団体があり、毎年   
「新春はやし叩き初め(たたきぞめ)」や「えびな
ふるさとまつり」「福祉(ふくし)のつどい」などの
行事で、かつやくしています。          
     明治時代には、今里、大谷、門沢橋、上郷、国分、
下今泉、社家、杉久保、中野、本郷・ 新宿の
10ヶ所で行われていたといいます。     
    柏ヶ谷では、昭和2年に綾瀬村から先生をよんで
  きて、25名の囃子連(はやしれん)がつくられまし
た。
 太平洋戦争の間、お囃子は行われませんで 
   したが、戦争がおわってまた行われるように なり、
現在、国分、柏ヶ谷の囃子保存会(はやしほぞん
 かい)は海老名市の郷土芸能(きょうどげいのう)に
なっています。                     
 また、門沢橋の囃子は東京芸術大学が研究に
来たことでも有名です。               



大谷歌舞伎(ささらおどり)

 「ささら踊り(おどり)」ので歌われる歌は、日本の古い歌のとくちょうをよくのこしています。
 おどりには「扇(おおぎ)おどり」「手拭(てぬぐい)おどり」「袂(すそ)おどり」「蝶々(ちょうちょう)とんぼ」「おっちょこちょいのちょい」など、いろいろなおどりかたがあります。
 ビンササラという楽器(がっき)のようなものをつかって、リズムを取りながらおどります。ビンササラの音が、雨を呼ぶかえるのなき声にも聞こえるので、農業(のうぎょう)の神さまにささげるおどりだったともいわれています。